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休業損害 | 静岡市・駿河区・清水区 静岡市交通事故治療センター

休業損害

休業損害とは、交通事故の被害者の方がケガをしたことにより、治癒あるいは症状固定までの期間、働くことができずに収入が減少することによる損害をいいます。自賠責保険基準では原則として1日5,700円が支払われます。また、日額5,700円を超える収入があることを証明できる場合には、19,000円を上限に下記計算式による実費が支払われます。

1. 給与所得者の場合
過去3ヶ月間の1日当たりの平均給与額が基礎となります。
事故前3ヶ月の収入(基本給+付加給与(諸手当))÷ 90日 × 認定休業日数
具体例:
5月11日に交通事故で受傷、7月末まで会社を休んで通院していた(休業82日)。
2月の給与:23万8000円
3月の給与:20万5000円
4月の給与:25万5400円
(23万8000円 + 20万5000円 + 25万5400円)÷ 90 = 7,760円
7,760円 × 82 = 63万6320円

2. パート・アルバイト・日雇い労働者
日給 × 事故前3ヶ月間の就労日数 ÷ 90日 × 認定休業日数(アルバイト先等の証明を要します。)
例)9月22日に事故発生 給与締め切り 月末
食費、交通費手当を含む 日給10,500円
6月 就労日数 18日
7月 就労日数 23日
8月 就労日数 19日
合計 60日
10,500円 × 60日 ÷ 90日 = 7,000円(日額)
認定休業日数 9月22日 ~ 10月31日(40日間)
休業損害額⇒ 7,000円 × 40日 = 280,000円

3. 家事従事者
家事ができない場合は収入の減少があったものと見なし、1日当たり5,700円を限度として支給されます。

4. 事業所得者
事故前年の所得税確定申告所得を基準に、1日当たりの平均収入を算出します。
・交通費
公共交通機関(電車・バス)かタクシー、有料駐車場、自家用車のガソリン代などが対象になります。

交渉におけるいわゆる保険実務として示される主婦休損は,1日あたり5,700円 × 実際に通院ないし入院をした日数です。これは,自賠責保険が5,700円を超えることが明らかなことが証明できない場合には原則として5,700円とするという1日あたりの基準額に従ったものです。主婦ですから当然ながら、証明はできないことから、この1日あたり5,700円というのが,家事従事者である専業主婦の休業損害として結びついて主婦休損 = 1日あたり5,700円という図式ができあがっているのです。
なお,実際に通院ないし入院をした日数とするのは、それ以外の日については、家事は可能であろうと言うことからです。しかも,他に家事をする人がいないことの自己申告書を要求されることがあります。

主婦は、会社勤めのように会社が休業損害証明書を発行してくれるわけでもなく、ご自身で、どのような症状のため、家事にどの程度支障が出ているのかを主張立証する必要があります。裁判上も、主婦の休業損害については認めていますが、休業日数について、入院などにより100%家事をしていなかった期間はともかく、退院して徐々に怪我の程度がよくなってきている中で、どの程度家事に支障があるのかについて確立した基準はありません。そのような理由から休業日数の計算方法については、内容にもよりますが、次のいずれかの方法で計算をするとよいでしょう。

1. 通院実日数を休業日数とする方法
通院日数が80日の場合: 9,503円 × 80日 = 760,240円

2. 段階的に休業の割合の低下させていく方法
第11級(労働能力喪失率20%)の後遺障害が認定され事故から症状固定まで200日要した場合
症状固定までの期間を4等分して、最初の期間4分の1の期間は100%休業、次の4分の1から
症状固定時の20%まで段階的に休業損害が低下するとして計算する。
9,503円 × 100% × 50日 = 475,150円
9,503円 × 80% × 50日 = 380,120円
9,503円 × 60% × 50日 = 285,090円
9,503円 × 40% × 50日 = 190,060円 合計 1,330,420円

3. 直線的に休業の割合が低下すると仮定して計算する方法
2のケースのように段階的ではなく、入院などで100%家事ができなかった期間から、退院して完治(0%)又は症状固定(労働能力喪失率)まで直線的に休業割合が減少していくとみなして休業損害を計算する方法です。このような方法で計算することもやむを得ないことです。

ただ、主婦の休業損害に対する知識がないと、保険会社は休業損害の提示をしないか、提示しても、任意保険会社の基準として、相当に低い金額を提示してきます。
保険会社のペースに呑まれないよう、しっかりと準備をしておきましょう。